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2011年04月29日

ホラー漬け

 この1ヶ月、普通の映画を見る気がしない。
 ためにし寺山修司の『さらば箱舟』を見ようとしたが、最後まで辿り着けない。
 集中できない。見てられない。
 で、またわが最愛の『ゾンビ』を見直すことにした。
友人に「ホラーというより、ギャグだね。」

と言われたことがあるが、わしはそれも含めてこの映画が好きだ。今年は何度見ることになるのだらう?
 勢いで、20年振りにメガホンを取ったジョルジュ・A・ロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』を観る。

 ゾンビが考え始め、仲間意識に目覚め、普通のように歩き出し、しまいには銃も撃ち始める?!。ってビッグ・ダディ役ユージン・クラーク、もちょっとゾンビ歩きに工夫しろっての。当時すでに癌発病していたであらうデニス・ホッパーの熱演も空しい『残念・オブ・ザ・デッド』となってしまっている。

 ここでロメロさんの原点へ回帰。“ゾンビ”ものの原点『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』へと向かふ。

 何度観ても、この作品は素敵だ。登場人物すべてが素人っぽいのがいい。ゾンビの歩きも自然である。クールだ!!
 ここに出てくるゾンビを見て思う。この“ゾンビ歩き”は誰が演出し、確立させたのか?気になるところだ。ロメロだろうか?役者の一人だろうか?この作品以前に“ゾンビ歩き”をした人は居ないのだらうか?
 そう思うと、往年の名ドラキュラ俳優ベラ・ルゴシや、フランケンシュタインやミイラ役を演じたボリス・カーロフがどのような演技をしていたのか、気になるところだが、残念ながら手元に資料(ビデオ)なし。

 ということで次へと進もう。トム・サヴィーニによるリメイク作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記』は、オリジナルを忠実に再現したといえる。ゾンビをオリジナル同様、のろまな奴らとして描かれており、リアリティがある。トム・サヴィーニは特殊メイクアップ・アーティストとして有名だが、『ゾンビ』にも暴走族のリーダー格として出演しており、「ああ、あの憎たらすぃ男か!」とピンとくる人も居らっさることでせう。それはともかく、これは貴重な夜の2時間を消費するに値しますぞ。 さて、『ゾンビ』にもリメイクがある。続いては『ドーン・オブ・ザ・デッド』である。

 この作品はゾンビがとにもかくにもパワフル!全員がボルト並みの速さで迫ってくる。これでは人間が生き残る術はない。もうちょっと隙が欲しいと思うのは自分だけではあるまい。しかし、それはともかく、ほかの部分では見所が沢山ある。ユーモラスな場面もえっちなシーンもしっかりあって、評価を上げている。
 しかし、もちろん不満もある。音楽である。音楽が残念ながら陳腐なのである。ここで、今更ながら、ゴブリン・サウンドの喪失感を味わう。
 ゴブリンといえば、やはりダリオ・アルジェント作『サスペリア』『サスペリア2 (紅い深淵)』であらう。ゴブリンの音楽なしにこの映画は考えられなひ。ダリオ・アルジェントはゴブリンと出会わなければ、テンポの悪いフツーのホラー監督さんで終わっていたに違いなひ。
 その証拠に、ゴブリンと出会う1974年以前の作品に光るものは少なく、ゴブリンを失った1980年以降の作品も切れ味が悪い。実はゴブリンは『ゾンビ』録音後に分裂してしまっていた。そのため次作『インフェルノ』はキース・エマーソンを迎えるもイマイチ不発。
『シャドー』はゴブリンのメンバーだったクラウディオ・シモネッティ/ファビオ・ピナテッリのクレジットとなっているが、盛り上がることなく、
『フェノミナ』ではまたゴブリン名義に戻るも、もう往年のインスピレーションを感じさせるサウンドではなくなっていたのだ。嗚呼、映画も音楽も、全て才能は消費され、枯渇するのである。









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Posted by ばうまにあ at 18:49│Comments(0)映画
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