in Rock Cafe 果て無き雑談  -明日また明日-

ばうまにあ

2011年01月15日 18:44

本日のBGM
Il Ballet Di Bronzo / YS

Intorduzione 15:11
Primo Incontro 3:27
Secondo Incontro 3:06
Terzo Incontro 4:33
Epilogo 11:30

Gianni Leone Vocals, Organ, Piano, Mellotron, Moog, Spinet, Celesta
Lino Ajello Guitar
Vito Manzari Bass
Gianchi Stringa Drums

マスターが思わず「カッコイイ・・」とつぶやき、お客さんは「これ、ダレ?いつの?」と訊いた。
イタリアの古典的名作は1972年リリース。もまだまだ知られていないようですね。ジャンニ・レオーネさま、まだまだガンバ!


あの黒く重い扉に手を伸ばすも、心穏やかならず。そう、あれから幾星霜。
蝶番の音ですら雷鳴の如き響きなりしかと覚ゆ。
さながらコソドロ某の如き抜き足差し足にて店内潜入。
幸い他に来客なく、マスター書籍を耽読せし故、我が存在に全く気付かず。

敵機影見当たらず、高射砲の音ひとつなし。
我、奇襲に成功せり。トラ、トラ、トラ。

我「2年ぶりですわいね=。おひさ~~~。」
マスター、読書の邪魔をされたと一瞬むっとしつつ、商売と割り切り軽く微笑むも、感情隠しきれず。
マ「ああら、随分お見限り。豊平川に土左衛門が上がるたび、あんたぢゃないかと思っていたわ。」
我「それはないぜよマスターよ。あんたいつからおカマになった?」
マ「ならんよ。あんたの顔見たらこんな調子になってしまふ。」
我「それはそうと、最近何か新しく聴いてまふか?」
マ「聴いてないね。相変わらずだよ。ビートルズに栗無損。」
我「栗無損?」
マ「クリムゾンだよ、キング。」
我「ビートルズがネット配信始めたそうですね。1週間で200万曲 だったそうな。」
マ「そんなの知らん。細切れで音楽聴いて、楽しいのかわからん。」
我「トータル・コンセプト・アルバムの理念と意義はもう崩壊しましたね。」
マ「アルバムデザインを愉しむとかね。聴衆はそこまでやる必要性を感じなくなってしまった。」
我「全員ぢゃないでしょうけどね。われわれは古いタイプの人間ということなんでしょうけれど。」
マ「古いタイプでいいぢゃない。」
我「古いタイプで行きましょう。」
マ+我「♪ふる~いたぁ~いぷのぉ~ 男ぉ~で~ぇえ ござぁるう~♬」

マ「ということで、どんな話をしたらいい?」
我「また、ロック四方山話、ということで。」
マ「ぢゃ、ミック・ジャガーの女好き伝説の最高峰といえる話知ってる?」
我「いえ、あまり。」
マ「エリック・クラプトンの結婚式の時、ミックはブライアン・フェリーの婚約者(ジェリー・ホール )とクラプトンの寝室で一発やってしまった。クラプトンは新婚初夜なのに居間のソファーで一夜を過ごしたという。」
我「うああ、それはすごい。ジェリー・ホール って、ロキシー・ミュージックのアルバム『サイレン』のジャケットに登場した当時のスーパーモデルですよね。」
マ「ミック・ジャガーがバイ・セクシュアルというのは?」
我「聞いたことはありますね。」
マ「ブライアンの後釜としてストーンズのメンバーとなったミック・テイラー(写真左の人物)とも一発やってしまった。」
我「うっ。む・惨い。」
マ「それでミック・テイラーが嫌になってストーンズを脱退する一因となったという話サ。」
我「すさまじい人間模様ですなぁ。で、キース・リチャーズはどうだったんすか。」
マ「女癖については普通だろう。というよりキースは男気のある人という認識があるね。ジョン・レノンが射殺された時、キースは敵討ちしようと本気で思ったそうだ。」
我「その時ミック・ジャガーは?」
マ「女の尻を舐めていたんだろうね。」
我「む・・惨い。ところでマスターはテレビって見ることあるの?」
マ「見る見る。家帰ったらテレビつけっ放しで見てるよ。気になるものは録画して見ている。」
我「俄かには信じがたいけどなぁ。アイドルとか、女優とか、好きな人なんか居ないんでしょうね。」
マ「居る居る。上戸彩は好き。女優としては綾瀬はるかがいい。人気あるけど米倉涼子は演技下手だなぁと思って見てる。男優は 阿部寛がいいね最近。松潤はだんだん演技もうまくなってきている。」
我「米倉涼子は私も同感。なんで大御所のような雰囲気になってきてるのかいつも不思議に思っている今日この頃です。でも、マスターが上戸彩だって。ぷぷっ。」
マ「でも、今一押しだったら、彼女だな、井上真央ちゅぁん!」
我「井上真央ちゅぁん?!・・・・・・・・・・・・?」
マ+我「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

マスター、はっと我に返る。まずいと思ったのか、急に話を方向転換し始める。
マ「し、しかしアレだな。オトコって女の書く脚本のドラマは、リアル過ぎて見たくないんぢゃないかと思う。その点、男の書く脚本は理想化されすぎてるのが見え見えなんだけど、どうせドラマなんて作り物なんだからそれでいいんぢゃないかと思ってしまうね。男はわかってはいるんだけど、理想的なのがいい。リアルなのは現実だけで充分と男は考えてしまうのだと思う。」
我「上戸彩・・・。ぷふっ。」
マ「・・・・山田太一『ふぞろいの林檎たち』1回目のシリーズは面白かったけれど、それ以降はつまんない。惰性に陥ったんだろうな。一方で倉本聡の場合は世界を子供の視点で見ている。子供が大人になっていくその過程を見せる。子供の世界を描くのがうまい人だ。」
我「綾瀬はるかに井上真央ちゅぁん。ぐふふふっ。マぁスタァ~、好きねぇ、そんな顔して。」
マ「・・・・おい、聞いとるのかね? キース、帰っちゃうよ。」
我「あっすいやせん。続けておくんなまし。」
マ「仕様がない奴だな。  思うに、音楽も映画も同様で、本当の作品を作れるのは30代までではなかろうかと思うのね。あとは惰性。画期的な作品は作れなくなってゆく。」
我「残念だけど、それ賛成。CRIMSONもELPもYESもSTONESも、歴史が証明してしまっている。」
マ「そういえばさぁ、パープルがなんでアメリカでウケなかったかわかる?」
我「わかりませんねぇ。」
マ「アメリカではエルビスみたいなふわふわした不安定なヴォーカルが受けてるだろう?だからふらふらしている感じのツェッペリンのロバート・プラントは受けたが、パープルのイアン・ギランはスパッとし過ぎていてアメリカでは受けなかった。」
我「なるほど。」
マ「で、これはアメリカに限らないけれど、ジョン・レノンのヴォーカルも独特のゆらぎがあって、人の心をひきつける。一説にはゲッベルスの声質に似ているといわれているけど、どうだろう?」
我「“ゆらぎ”がココロに入り込むということですか。うむう、ありそうですね。ゲッベルスの声の説はいろいろ研究者が居るようですね。」
マ「“ゆらぎ”を制する者が世界を制す。」
我「年末に私、瀬戸内の大三島へ行きましてね。全国の国宝・重要文化財の武具類の8割がここにあるという大山祇神社へ参拝しまして、せっかくですからその武具類を見ようと千円払って紫陽館に入ったんですね。」
マ「千円。高いね。」
我「自分も最初はそう思ったんですが、見ているうちにその感想は変わったんです。千年前の刀剣や甲冑などすべてが本物。管理するにはそれくらいは当然だろう、と。」
マ「ほほう。で、よかったの?」
我「よかったっすよ。国宝の河野通信奉納と伝わる鎧兜、源義経奉納と伝わる鎧とか。すばらしかったです。でも、今回お話したいのはそのことではないんです。」
マ「というと?」
我「紫陽館は完全に観光化されているんです。普通に陳列していて、係員が居る。まあ、神官の衣装は着ているんですが。で、安心して見ていたんですね。そして、2階へあがる。2階も陳列品が一杯なんです。で2階の奥に渡り廊下で国宝館が繋がっている。ここの廊下を歩いていて、何かぐっとくるものがあったんです。」
マ「感動した?」
我「いえ、“気”のようなものに当てられ始めたということだと思います。廊下を渡り終えると扉があるんですが、この扉を開けると『わぁ~っ』という感じで自分の体を圧迫する何かに襲われたのです。そこには向かい合わせに武具類が陳列されているんですが、その双方から何か力あるものに圧倒されてしまって、具合が悪くなってしまったんですね。」
マ「いや、そういう場所では当然だろう。」
我「ええ、自分は見ることができず感じるだけでしたが、もし見ることができる人だったら、何かが集まって大きくなったものの姿を見ることができただろうと思うんです。正直、それから40分は具合悪かったっす。」
マ「それは貴重な体験をしたねぇ。いやさ、俺も不思議な経験があるよ。おじさんが亡くなった時だから、3年前くらいの話。
 通夜の晩。一度家に戻って寝ていた朝方に、右手を引っ張られた感じがして起きた。
ああ、夢だったんだなぁと思ってもう一度寝ようとしたらまたひっぱられた。
このとき思い出したのはおじさんを見舞ったとき。別れ間際におじさんが右手を差し出して手を握り合ったんだけど、そのときの感覚と同じだった。ああ、おじさん来たんだな・・・。と思った。というおハナシ。」
我「ほのぼのしたいいお話ですなぁ。夏でもないのに、ちょっと失礼しましたが、今回はここまで。」
(筆者注:マスターは決してミックが嫌いな訳ぢゃない。と言っておりますです。はい。)




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